肩こりがつらくなると、首の付け根や肩の上を自分で揉みたくなる方は多いと思います。
肩こりのセルフマッサージでは、今つらい場所をしっかりほぐすことが大切です。僧帽筋や肩甲挙筋、首の後ろ、背骨の周りなど、肩こりに関わりやすい筋肉へ無理のない刺激を入れていきます。
実際の施術では、最初から肩ばかり触ることはありません。身体に疲れがたまっている方は、腕や脇、胸、背中、肩甲骨まわりまで張っていることがあります。
当院では、腕や脇、背中、肩甲骨まわりを先にゆるめ、その後に肩や首へ進む方法をよく使います。周囲がやわらいでから肩へ触れたほうが、施術を進めやすいと感じるためです。
この記事では、自分でできる肩・首まわりのセルフマッサージに絞って紹介します。脇や二の腕、肩こりストレッチについては関連記事でも詳しく解説しています。

肩こりを自分でマッサージするときは、どこをほぐす?
肩こりという名前から、肩の上を揉めばよいと思う方もいるでしょう。
実際には、肩や首の動きには複数の筋肉が関わっています。代表的なのが僧帽筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋、背骨の周りにある脊柱起立筋です。
当院では、「肩が重い」「首が回しにくい」という相談をよく受けます。実際に身体へ触れると、肩の上に張りがあり、肩甲骨まわりや背中まで硬くなっている方もいます。
セルフマッサージでも、肩の一点を強く押し続けるより、肩から首、肩甲骨まわりへ少しずつ場所を変えながらほぐしてみてください。
日本整形外科学会でも、肩こりに対する方法の一つとしてマッサージ療法が紹介されています。日本整形外科学会「肩こり」
1.肩の上にある僧帽筋を自分でほぐす
肩の上から首の付け根にかけて広がる僧帽筋は、肩こりで張りを感じやすい筋肉です。
やり方
- 右肩をほぐす場合は、右腕を膝やクッションの上へ置きます。
- 左手の人差し指、中指、薬指の腹を右肩の上に当てます。
- 息を吐きながら2〜3秒かけてゆっくり押します。
- 同じくらいの時間をかけて力を抜きます。
- 指の位置を少しずつ肩先へ移しながら繰り返します。
- 30秒ほど行ったら反対側もほぐします。
首の横を強く押す必要はありません。肩を少しすくめたときに盛り上がる筋肉へ、指の腹を広く当てます。
揉む側の腕が疲れる場合は、肘を机へ置いてください。腕を支えると余計な力が入りにくくなります。
2.肩甲挙筋は首を軽く動かしながらゆるめる
肩甲挙筋は、首から肩甲骨につながる筋肉です。首を動かしたときに、首の付け根から肩甲骨の上へ張りを感じる方もいます。

やり方
- 右側をゆるめる場合は、左手を右肩の上へ置きます。
- 首を少し左へ向けます。
- そのまま視線を左下へ向け、首の後ろを軽く伸ばします。
- 肩の上に置いた手で筋肉へやさしく触れます。
- 呼吸を続けながら10〜20秒ほど行います。
首を強く引っ張る必要はありません。気持ちよく伸びる範囲で止めてください。
3.首の後ろと背骨まわりは指の腹でゆっくりほぐす
首の後ろから背中にかけて張りを感じる方は、背骨の両側にある筋肉へ指の腹を当ててみましょう。
肩こりの方へ施術をしていると、首から肩甲骨の間まで緊張が続いていることがあります。

やり方
- 椅子へ楽に座ります。
- 両手の指の腹を首の後ろへ当てます。
- 背骨そのものを避け、その左右にある筋肉へ触れます。
- 2〜3秒ほど軽く押して緩めます。
- 場所を少しずつ下へ移しながら30秒ほど行います。
骨の上を強く押したり、首を前へ倒しすぎたりしないようにしてください。
4.胸鎖乳突筋は強く揉まず、首をゆっくり動かす
スマートフォンやパソコンを見る時間が長い方は、首の前側にも負担がかかります。
胸鎖乳突筋は、顔を横へ向けたときに首の横へ浮き上がる筋肉です。この周辺には重要な血管や神経もあるため、強く押すマッサージには向きません。
ここでは肩の力を抜き、首をゆっくり動かします。

- 椅子へ座り、肩の力を抜きます。
- 顔をゆっくり右へ向けます。
- 左の首前側が軽く伸びる位置で止めます。
- 自然に3回ほど呼吸します。
- 反対側も同じように行います。
首の前側へ指を強く押し込まないようにしてください。
5.肩甲骨まわりはテニスボールで筋膜リリースする
肩甲骨の内側は自分の手が届きにくいため、壁とテニスボールを使うとセルフケアしやすくなります。このような方法は、筋膜リリースとして紹介されることもあります。
当院でも筋膜への施術を取り入れています。筋肉や筋膜へ触れながら身体を動かし、肩や肩甲骨の動きを整えていきます。詳しくは当院の筋膜リリース(FRSテクニック)をご覧ください。

やり方
- 壁を背にして立ちます。
- 肩甲骨の内側と壁の間へテニスボールを挟みます。
- 軽く壁にもたれます。
- 心地よい圧で5〜10秒ほど呼吸します。
- 膝を小さく曲げ伸ばしし、ボールを上下1〜2cmほど動かします。
- 30秒ほど行ったら反対側へ移ります。
背骨や肩甲骨の硬い部分、首へ直接ボールを当てないでください。痛い場所を無理に押しつぶす必要はありません。
肩を揉む前に腕や脇をゆるめる方法もあります
ここまで肩や首のセルフマッサージを紹介しましたが、実際の施術では腕や脇から始めることもあります。
デスクワークでは腕を前へ出した姿勢が続くため、二の腕や脇、胸まわりにも疲れがたまりやすくなります。
当院では、腕や脇をゆるめてから肩甲骨まわりへ進み、その後に肩や首を施術する流れもよく使っています。
脇の後ろまでつらい方は、肩こりで脇の後ろが痛む原因とセルフケアをご覧ください。
二の腕まで張りや痛みがある方は、肩こりで二の腕まで痛む原因とセルフケアで詳しく解説しています。
強く揉んだ方が肩こりには効く?
「肩が硬いから、強く揉んだ方が効きそう」と話す方は少なくありません。
私は、セルフマッサージで強さを追い求める必要はないと考えています。
施術でも、身体の状態に合わせて刺激を変えています。自分で行う場合は、普段どおり呼吸できる強さから始めてください。
顔をしかめるほど痛い、息を止めないと耐えられない、翌日まで押した場所が痛む。このような場合は刺激が強すぎます。
セルフマッサージの後は肩こりストレッチも取り入れる
マッサージの後は、肩や首を軽く動かしてみましょう。
デスクワークでは、マウスやキーボードを身体へ近づけ、前腕を机や肘掛けへ置くのもおすすめです。腕の重さを支えられると、肩へ入り続けていた力を抜きやすくなります。
自宅や仕事中にできる運動は、肩こりストレッチの方法でも紹介しています。
肩を自分で揉んでもすぐ戻る方へ
当院へ来られる方からも、「揉むと楽になるけれど、仕事をするとまたつらくなる」という話をよく聞きます。
こうした方は、肩をほぐすセルフケアとあわせて、腕の使い方や肩甲骨の動き、姿勢にも目を向けてみてください。
ポポの木整骨院では、身体の状態に合わせた施術と、ご自宅で続けられるセルフケアの指導を行っています。
「自分ではどこを揉めばよいか分からない」「セルフマッサージを続けても肩こりが戻る」という方は、大和市・高座渋谷の肩こり施術ページをご覧ください。
まとめ|肩こりは肩と首をほぐし、周りの疲れにも目を向ける
肩こりを自分でマッサージするときは、今つらい場所から無理のない強さでほぐしていきます。
- 肩の上は僧帽筋を指の腹でほぐす
- 首の付け根は肩甲挙筋を軽くゆるめる
- 首から背中は背骨の両側へやさしく触れる
- 首の前側は強く揉まず、ゆっくり動かす
- 肩甲骨まわりはテニスボールを使う
私は施術でも、腕や脇、胸、背中、肩甲骨まわりを先にゆるめ、その後に肩や首へ進む方法をよく使っています。
セルフケアでも全部を一度に行う必要はありません。今、一番張りを感じる場所を30秒ほど、心地よい強さでほぐしてみてください。
