肩こりがかなり強い方を施術していると、肩の上と一緒に脇の後ろまで硬くなっていることがあります。
先日も、肩が盛り上がって見えるほど力が入っている方が来院されました。ご本人に脇の痛みはありませんでしたが、後ろ側へ触れると、
「そこ、かなり痛いです」
と驚かれていました。

この方は腕が身体より前へ出て、肩も内側へ入りやすい状態でした。いわゆる巻き肩です。
脇の後ろを押すと痛い場合、広背筋や大円筋などの張りが関係していることがあります。ただし、しこりや腫れ、腕のしびれを伴う痛みまで肩こりと決めつけることはできません。まずは症状の出方を分けて考えましょう。
脇の後ろを押すと痛い方に見られやすい状態
脇の後ろのふちには、背中から腕につながる広背筋と大円筋があります。その近くを上腕三頭筋の長頭が通り、肩甲骨や腕の動きに関わっています。
パソコンやスマートフォンを長く使うと、腕を前に置いた姿勢が続きます。肩が内側へ巻かれる力に対し、脇の後ろ側は腕や肩甲骨を支えようと働き続けることがあります。本人は肩の重さしか感じていなくても、押されて初めて脇の張りに気づくのは、このためです。
| 症状の出方 | 考えたいこと | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 押したときに張りや痛みを感じる | 広背筋・大円筋など、脇の後ろ側の緊張 | 力を入れず、後述のストレッチを試す |
| 腕を上げる、後ろへ回すと痛む | 肩関節や肩甲骨の動きも関係する可能性 | 痛む方向へ無理に伸ばさない |
| 首を動かすと腕や手まで響く | 首から腕へ向かう神経の影響も考える | しびれや脱力があれば医療機関へ |
| しこり・腫れ・赤み・熱感がある | 筋肉以外の原因を除外する必要がある | 揉まずに医療機関へ相談する |
巻き肩になると肩まで力が抜けにくくなる理由
腕が前へ出ると、肩甲骨も外側へ移動しやすくなります。その位置で仕事や家事を続ければ、脇の後ろや二の腕は腕の重さを支え、肩甲骨を安定させようと緊張します。
肩甲骨の動きが小さくなると、腕を上げるたびに首肩の筋肉が動きを補います。すると僧帽筋や肩甲挙筋へ負担が集まり、肩の上が盛り上がったように見えることも。肩だけを揉んでも、すぐ力が戻ってしまう方に多いパターンです。
筋膜のつながりを表す考え方に、アナトミートレインがあります。当院では筋膜のラインだけで原因を決めず、二の腕、脇、肩甲骨、首肩が一緒に動けているかを上肢帯の連動として捉えています。
脇の後ろだけでなく二の腕まで張る、痛むという方は、肩こりで二の腕まで痛む原因とセルフケアも参考にしてください。肩から二の腕まで症状が広がるときの考え方や、自宅でできるケアを詳しく紹介しています。
当院で行う施術の考え方は、筋膜リリース(FRSテクニック)のページで詳しくご案内しています。
肩と脇の後ろを合わせて施術した例
冒頭の方は、肩を先に施術しても力が抜けにくい状態でした。全身のアライメントと腕の位置を調べると、腕が前へ出たまま肩甲骨の動きが小さくなっていました。
そこで脇の後ろと二の腕へ施術を行い、その後に肩を触れると、先ほどより肩の力が抜けやすくなりました。
この変化からも、つらい肩だけを施術箇所にするのではなく、腕を前へ引き込んでいる部分と、肩甲骨を支えて疲れている部分を分ける必要があると考えています。
自宅で試せる2つのストレッチ
伸びる感覚が心地よい範囲で行ってください。鋭い痛みやしびれが出る動きは中止します。
1.机を使って脇の後ろを伸ばす
- 机の前に立ち、両肘から前腕を机に置きます。
- 椅子へ座るように、お尻をゆっくり後ろへ引きます。
- 胸を机へ近づけ、脇から背中が伸びる位置で10〜20秒保ちます。
- 呼吸を止めず、2〜3回繰り返します。
肩の前が詰まる場合は、肘の位置を低くするか、伸ばす角度を浅くしてください。
2.壁を使って胸の前を伸ばす
- 右の手のひらと前腕を壁につけます。肘は肩より少し低くします。
- 右肩をすくめず、身体をゆっくり左へ向けます。
- 胸の前が伸びる位置で10〜20秒保ち、反対側も行います。
腕が前へ引かれやすい方は、胸の前へ短いストレッチを加えると、脇の後ろ側ばかりが支える状態を変えやすくなります。
自分で脇をほぐしたい方は、肩・胸・脇のセルフマッサージも参考にしてください。指を脇の奥へ入れず、外から触れられる筋肉のふちを包む方法を紹介しています。
セルフケアより相談を優先したい症状
- 脇にしこり、腫れ、赤み、熱感がある
- 腕や手にしびれが続く、力が入りにくい
- 転倒やスポーツのけがをきっかけに痛み始めた
- 安静時や夜間にも強く痛む、日ごとに悪化している
- 発熱や強いだるさを伴う
これらは一般的な肩こりとして揉み続けず、医療機関へ相談してください。胸の痛み、息苦しさ、冷や汗を伴う場合は救急対応を優先します。
まとめ|肩がつらいときは腕の位置にも目を向ける
脇の後ろを押すと痛い方では、腕が前へ出た巻き肩に対し、広背筋や大円筋などが支え続けていることがあります。その結果、肩甲骨が動きにくくなり、首肩の筋肉へ負担が集まる流れです。
肩を揉んでもすぐ戻るときは、肩だけで判断せず、腕・脇・肩甲骨の動きを一度確かめてみてください。ポポの木整骨院では、全身のアライメントと上肢帯の連動を検査し、その方に必要な施術とセルフケアをご案内します。
高座渋谷ポポの木整骨院 整体院のアクセス
当院は完全予約制です。高座渋谷駅西口から徒歩3分、9時から22時まで営業しています(最終受付21時・日曜定休)。肩こりが続き、脇や腕まで張る方はお気軽にご相談ください。
